【収納】物の量が人生の豊かさではない
超高齢化社会の今、整理収納サポートは若い方のお宅ばかりではありません。
人生の大先輩にあたる方のお宅のサポートをさせて頂くことも。
そんな大先輩たちは物を買えること、色々持っていることが豊かさの表れと思って生きてこられた方が多いのが現実。
買えることがステイタス。買う事が楽しい。安いから買っておかなきゃ。新しいのが出たから買いましょう。
そんな買い方をしていると、モノは増えていくばかり。
更にモノを「捨てないこと=大事にしていること」の図式が出来てしまっているので、使わなくても家に置いておく。
そんな忘れられたり、使われないモノ達は、ホコリをかぶって湿気でカビが繁殖。
カビはカビをよび、どんどん押し入れや物入れの奥はカビの温床になっていきます。
高齢の方のお家に入らせて頂くと、カビの生えた洋服や鞄、くつ、家具までもがカビに侵略され、その中でカビの胞子を吸いながら暮らされるという悪循環の図式が出来上がっていることが多いです。
これはとても体に悪いです。
更に、モノが増えると収納庫や収納するべき場所に入りきらず、床置きが増えていきます。
すると床に置いて忘れられた沢山のモノに蹴躓いて怪我をしてしまう。
骨折などをすると、長期入院も余儀なくされ、体も心も辛い時間を過ごすことに。
物を持つ(買う)ことが悪い訳ではありません。
ただ、物欲だけでモノを買い、使わない。更には使わなくても家から出さなかったり。
新品のビニールに入ったモノでも、10年も前のモノは湿気を吸い、衛生的によくありません。
そのようなモノが沢山出てきて、それを処分しなければならない現場に伺うと、胸が苦しくなります。
体が動かなくなってからは、それらを外に出すことを人に依頼せざるを得なくなりますので、多額なお金もかかります。
払うお金があればまだ良いのですが・・・負の遺産だけを残すと、家族は大変なことになります。
そんな辛い思いをしないようにするには、日ごろからのモノの買い方や持ち方を気を付けるかしかありません。
『お金があって、なんとなく良さそうだから買う』 のではなく、『絶対に必要だから買う』に変えて頂き、『買ったら使う』や『買って使ったけど、あんまりだったら手放す』を徹底していただくと、ご自分の老後は安泰です。
今までの文章を読まれた若い方は、『高齢の人の話しだから関係ないわね』と思わないでください。
どんな人も生まれたら必ず年を取り、身動きが取りにくくなります。
ですので、今日書いたことは年齢は関係なく、生きている皆さんに当てはまることなのです。
考えてみてください。
買ったモノを処分するお金に100万円かかるのと、必要なモノだけを大切に使いながら暮らし、余った100万円を家族に残したり自己投資するのとでは、どちらがよろしいでしょうか。
100万円あれば旅行も行けますね。
モノが少なければ時間と空間に余裕が生まれます。
時間と空間に余裕が生まれると、心にも大きな余裕が生まれます。
モノの量が豊かさではないことに気付いて頂き、誰しもが避けて通れない老後を、必要なモノだけに囲まれてそれらをしっかり使って暮らし、最後の最後まで人生を豊かなものにして頂きたいと切に願います。
私は人生最後はトランクケース一つくらいで身軽に生きたいと思っています.。
profile
整理収納アドバイザー/柴村真弓(まゆしば)
〈保有資格〉
整理収納アドバイザー1級
整理収納アドバイザー2級認定講師
ルームスタイリスト・プロ
ルームスタイリスト認定講師
インテリアコーディネーター
親・子の片づけインストラクター2級
幼稚園、小学校1種免許(未更新)
エニアグラムお片づけ士アンバサダー
企業内整理収納マネージャー
お客様のお家に伺って実際に整理収納を実践したり、
整理収納アドバイザー2級認定講座を開催したりしています。みんなの家社外アドバイザーとして
「心地よくパワーのあるお家づくり」のお手伝いができればと思っています。