【ファイナンス】住宅ローンの団体信用生命保険
こんにちは。
いつもコラムをご覧いただき、ありがとうございます。
今回のコラムでは、『住宅ローンの団体信用生命保険(以下、団信)』について、詳しくご説明致します。
団信とは、住宅ローンの債務者が返済期間に死亡または高度障害状態になった時などに、その保険金で住宅ローンの残高が完済される保険のことです。
ひとくくりに団信といっても、金融機関や住宅ローン商品によって様々な種類やプランがあります。
民間の金融機関の住宅ローンでは、団信への加入を義務付けられていることが一般的で、フラット35では加入は任意となっています。
団信は、契約者が死亡または高度障害状態になった時にローン残高がゼロになる一般団信や、加入する保険の種類によっては、特定の病気になった時にローン残高がゼロになるプランもあります。
最近では、金融機関ごとに保険商品に強みを持っており、ローンの金利や条件のみならず、保険にも注目して借入する金融機関を決められるお客様も増えています。
それでは、団信にはどのような種類やプランがあるのか具体的に見ていきましょう。
団信の主な種類と保障内容について
1.基本の団体信用生命保険(一般団信)
特約の付いていない、いわゆるベースとなる団信。住宅ローンの契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、住宅ローンの残高がゼロになります。
最大の特徴は、保険料がかからない点です。特約付加保険料として金利が上乗せされるプランもありますが、一般団信の場合は金利に保険料が含まれており、上乗せされることはありません。
2.がん保障特約付き
がん保障特約付き団信は、基本の団信に加えて、医師によって悪性のがんに罹患したと診断された場合に住宅ローンがゼロになるプランです。上皮内がんや皮膚がんの場合には保険がおりないプランもあるので、注意が必要です。
がんの総患者数は年々増加傾向にあり、一度罹患してしまうと仕事を続けることが難しくなるケースも多いと思います。そういった場合に備えて、がん保障特約付き団信の需要は増しているといえるでしょう。
3.三大疾病特約付き
三大疾病特約付き団信は、基本の団信に加えて、三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)と診断された場合にも住宅ローンがゼロになります。
三大疾病は、日本人の死因の上位を占めており、通常の病気と比較しても死亡率や治療費が高いといった特徴があります。
ただ、三大疾病特約付き団信は、診断を受けた上で「所定の状態」になっていることが受給条件となっているケースもあります。「所定の状態」とは金融機関ごとに異なるため、加入前に確認しておきましょう。また、上乗せ金利は年0.25%程度が平均となっています。
4.八大疾病特約付き
八大疾病特約付き団信は、基本の団信に加えて、八大疾病と診断された場合にも住宅ローンがゼロになります。八大疾病には、上記三大疾病に以下の5つの生活習慣病を加えたものを指します。
- 糖尿病
- 高血圧症
- 肝硬変
- 慢性膵炎
- 慢性腎不全
三大疾病特約付き団信と同様、「所定の状態」という条件が設けられているケースがほとんどです。また、上乗せ金利は、年0.3%程度が平均となっています。
5.ワイド団信
ワイド団信とは、正式名称を「加入条件緩和割増保険料適用特約付団体信用生命保険」と呼びます。
一般的な団信は、住宅ローンの契約時に持病や通院履歴などの告知義務があり、健康状態によっては加入できないケースもあります。
条件を緩和することで、そのような方でも加入しやすくしたのがワイド団信です。加入条件が緩和されている分金利が高く設定されており、年0.2~0.3%金利がプラスされる傾向にあります。
団信に加入する前に知っておきたい注意点
1.健康状態によっては加入できないことも
団信も生命保険の一種である以上、契約前に健康状態についての告知が必要です。
一般的に、団信の健康状態の告知は、通常の生命保険と比較して項目が少なく審査に通りやすいといわれていますが、健康状態によっては加入出来ないケースがあることも覚えておきましょう。
2.けがや病気で長期間働けなくなった場合はカバーされない
団信は、けがや病気で長期間働けなくなり、住宅ローンを支払えなくなったケースは通常カバーされません。
短い期間であれば、有給休暇や傷病手当金を活用することもできますが、長期となると難しいでしょう。
そういった事態に備えて、団信の穴をカバーする意味も込めて就業不能保険に加入する方もいます。(金融機関によっては、就業不能保険も特約として付加することも出来ます)
3.民間の生命保険の方がお得な場合や保障が重複していることも
団信の保険料は、特約を付加することで契約者の属性に関わらず一律に引き上げられます。
しかし、若くて健康的な方であれば、民間の生命保険を活用したほうがお得に手厚い保障を受けられる可能性もあります。
フラット35など団信への加入が任意となっている住宅ローンを活用し、万が一への備えは民間の生命保険で行うという方法も検討しましょう。
また、すでに民間の生命保険に加入している場合は、団信と保障内容が重複していて本来必要のない保険料を支払っているかもしれません。
団信に加入するタイミングは、現在加入している生命保険を見直す良い機会です。これを機に現在の保障内容で十分か、必要のない保険料を支払っていないか確認しましょう。
4.特約は後から付けられない
団体信用生命保険は、特約を付けることでさまざまな事態に対応できるようになります。
ただし、特約を団信の加入後に付け加えることはできません。
いざというタイミングで十分な保障を受けられない、といった事態を防ぐためにも加入前にどの特約を付加するのか入念に検討しましょう。
いかがでしたでしょうか?
団信は、万が一の事があっても同居する家族が住宅ローンの返済を心配することなく、家に住み続ける事ができる保険です。
保険の種類によって金利も変わるので、返済金額や保証内容をよく理解した上で選択することをお薦めいたします。
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住宅アドバイザー/周防卓也
<保有資格>
ファイナンシャルプランナー2級
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